SiN −罪− レビュー


 
お勧め度:とにかく撃ちまくり!という人には是非
ハマり度:何度でも挑戦したくなる

 ここではこのSiNというゲームがどれくらい面白いのか?ということを紹介したいとおもいます。
(ころびやインターネットでの紹介では非常にふざけまくっていますが、ころびやがこのゲームを買った当初は、システムを理解していなかった為あまり楽しめなかったのでああ言う紹介になったのでした。)

●ストーリーと敵
 舞台は近未来の地球にあるFreeport city(フリーポートシティー)。プレイヤーは”HARDCORPS(ハードコープス)”の大佐「John Blade」(以下ブレード)となり、ドラッグ「U4」をバラ撒いているヤツらをブッ潰すために捜査に乗りだします。ブレードはありとあらゆるところに殴りこみをかまします。時には従業員に化けることもありますが(化けずに殴りこむことも出来る)、結局殴りこみます(笑
 ということでなんと敵は多くが人間です。当然彼らは数々の武器を駆使して襲ってきます。彼らは人を殺すことをなんとも思わない悪党や薬でいかれたジャンキーどもばかり。慈悲をかけていたら次の瞬間には自分が肉片になってしまうことでしょう。

●ゲームの概要
 ゲームはステージクリア式でストーリーに沿って進んでいき、クリアには「○○を破壊する」等の条件があるものと、ゴール地点に到達することでクリアになるものがあります。そして、各ステージには第一目標と第二目標があり、第一目標は達成が必須条件である(中には達成できなくても進めるものもある)のですが、第二目標は達成できなくても問題無く進むことが出来ます。さらに、ステージによってはどの目標を達成できたかで次のステージが変わったりするのです。
 たとえば、麻薬製造工場に潜入したとしましょう。そこでは「工場の爆破」が第一目標で、第二目標は「あわよくば証拠品をつかめ」というものだったとします。両方の目標を達成できた場合は普通に敵の本拠地に乗り込むという展開になるところが、第二目標の「証拠をつかむ」が達成できなかったとします。その場合、次のステージに行く前に「証拠をつかむ」というステージが発生する。という具合になります。
 もちろんこれは例ですのでこう言う展開はない(はず)ですが、こういった感じで自分がやったことで次の展開が変わります。これはプレイするごとに新しい発見があるので何度でもプレイしたくなります。

 主人公ブレードは見た目通り強めに設定されており、多少の攻撃ではびくともしません。そして高い攻撃力で次々と敵をなぎ倒していきます。真正面から敵に突っ込んでいって攻撃しまくるというスタイルでも充分通用するでしょう。難しいことは考えずにクリアを目指してかまいません。ビシバシと敵をたおしまくってください。

あくまでこれはイメージ。スクリーンショットではない



ゲームはグラフィックじゃないぞ!でも面白くてグラフィックが良いほうがうれしいんだけどね
●グラフィックとサウンド
 今となってはもう大して綺麗なグラフィックとは言えません。プレイステーションよりは綺麗。でもプレイステーション2には及びません。フルポリゴンのPSゲームをPS2でテクスチャ補間したものに毛をフサフサさせたくらいのグラフィックです。・・・・うーむ。これではなんだか解りにくいですね。ともかくプレイに支障をきたすほど汚いグラフィックではありませんが、プレイ中に景色に魅了されるようなことはないでしょう。しかししかし!ゲームを遊ぶという点で考えると、どこが動いてどこが開くのか、どこが操作できるのか等が判りやすく、スイッチが見つからないばっかりになんでもない謎解きで詰まるということは起きにくいでしょう。戦闘でも同じ事が言えるのでストレスの少ない攻略ができると思います。また、このグラフィックは世界観にもマッチしているので、ゲームを進めているといつのまにか気にならなくなっていくでしょう。
 解像度は1600x1200まで選べて、設定もなかなか細かく出来るので幅は広いです。とはいっても最近のPC(PenIII500以上)なら何の問題も無く遊べるでしょう。しかし、最高画質・オブジェクト描画位置設定最高で1600の解像度だと、驚くべきことにころびやPCでも時々重くなることがあります。(とは言っても超スムーズがスムーズになる程度ですが) この手のグラフィックのゲームにしては重い部類に入るようなので、3Dビデオカードを積んでいないPCやオンボードのビデオカードのPCでは高いクロックのCPUを積んでいるPCでも重いかもしれません。

 サウンドは非常に力が入っているらしく、なかなかいい出来となっています。3Dサウンド効果を使った演出などでは流石に最近の映画のようなサウンドには及びませんが、EAX(おそらく1.0)にも対応していて、敵の位置や水の流れなどのオブジェクトの効果音も綺麗に再現されています。さらにゲーム中にたびたび発生する通信や会話の声も綺麗に再生されています。同時期のHalf-Lifeでは酷い音質でしたが、SiNの声の音質は良好です。また声優もなかなか良い感じです。特に相棒のJ.C.のジョーク混じりの声とセリフはきっと気に入るでしょう。
 そして忘れてはいけないのがBGMです。これは好みが別れる所とも言えますが、ころびや的にはいいものがそろっていると思います。全てがハードな曲調のものではなく、コーラス混じりのものとか、ゆったりとしたもの等、場面に合ったものが流れるのでストーリーの流れと共に自然と盛り上がってきます。「本当に良いBGMとは名曲かどうかではなく、その場面に合っているかが重要である」とFinal FantasyのBGMを手がけた植松伸夫氏が述べているように、場面にあったBGMというのは非常に重要です。教会で賛美歌でなく演歌を歌うとしたら違和感バリバリです。もしそれがどんなに良い曲でも場違いでは曲は台無しでしょう。SiNのBGMはその点では文句のいいようがないと言えるでしょう。音質も良く、最初はCD音源かと思ったほどです。


水中ステージ。比較的美しいグラフィックを楽しめるが、トラップが多く難易度は高め

洗練されたシステムで98年発売というハンデを今に感じさせない爽快なアクションが楽しめる



良く見て欲しい。別に体が床に食い込んでいるワケじゃないぞ。ロケットランチャーは取り扱いには注意しよう。
 最初はかなり驚くかもしれません。ショットガンなどを至近距離で撃ちこむと体がバーラバラになります。このゲームを日本でコンシューマ(家庭用ゲーム機)向けに発売するとPTAあたりが騒ぎ出すかもしれません。というわけで、このゲームは”良識ある”大人向けです。UnrealTournamentでもこういう描写はありますが、あれは「体が原型が無くてもうなんだか判らないくらいバラバラになる」「首が飛ぶ」という程度でしたが、SiNは「下半身が吹っ飛ぶ」「上半身が吹っ飛ぶ」というレベルです。バイオハザードのゾンビの首飛ばしと同じとは思わないでください。あれはまだ人道的な倒れ方をしてくれます(笑)。しかしSiNでは上半身をぶっ飛ばされ残された下半身がゴロっと転がっていたり、今にも動き出しそうな上半身のみが無残に転がっています。そう、原型が判るのです。これ、文で書くとそうでもありませんが、実際に自分の攻撃で不意に敵の体が吹っ飛ぶとビビリます。そして自分も同じように至近距離でショットガンなどの銃撃を受けると吹っ飛びます。そして見えます。自分の足が。

遠距離からのスナイピング。非常に効果的な戦法でもあり、決まったときの快感も大きいが残酷さの衝撃も大きい
 これはもうショックでした。アメリカという国はこの辺の描写がロコツです。子供用のゲームでも剣で斬られてミスすると描写される「やられエフェクト」に驚くほどロコツな描写をされています。斬られて真っ二つまではいいですが、脳みそや内臓の描写まであるのです。血こそでないものの、子供にはショックがでかいのではという表現です。アメリカ式のジョークなのかもしれませんし、結構生命倫理という点でも乾いているの面があるので臓物には日本ほど敏感ではないのかもしれません。文化によって感じ方が違う点なのでそういう所も解った上でプレイに望んで欲しいです。アメリカのほとんどのゲームでこのような比較的露骨な残酷描写がなされているので、洋物ゲームを遊ぶときにはその点を留意しておいてください。(しかし当サイトで紹介しているThiefというゲームにはそういう描写はありませんが)

 しかしそんな描写も3日もプレイしているといつのまにか気にならなくなってくるのにもっと驚かされます。このようなゲームが犯罪を助長しているなどという人もいますが、ゲームと現実を区別できない人はそもそもゲームをするべきではないので、あまり関係無いとか思ってます。・・・話がそれましたので戻しますと、「このゲームには残酷表現がされている点もあるが、決してそれがメインではない」ということです。開発段階ではこの残酷表現をオプション設定で解除できるようにする予定もあったそうです。アクティビジョン(販売元の会社。アメリカでは開発と販売は別の会社がやるのが一般的)が発売を早めなければその機能が搭載されたかもしれません。残念な話です。

 先述のとおり、自分もバラバラになります。マルチプレイでは生き返る事ができるので自分の死体を良く見かけます。嫌になるくらい見かけます。上半身を吹き飛ばされた自分の下半身を発見すると結構ビビリます。そういうのはUnreal Tournamentでなれているつもりだったんですがねえ。


見た目はショボイけど威力は抜群のショットガン。これで上半身をぶっ飛ばされた丸い人。あわわ・・・

あーらら。まるで「犬上家の一族」のようだ。ご冥福を祈りましょう。アーメン。


●マルチプレイ
 SiNはマルチプレイ(LANやインターネットによる対戦)も楽しめるようになっています。3年くらい前は結構SiNのマルチプレイも盛り上がっていたようです。しかし現在ではサーバを多くても4件ほどしか発見できませんでした。今さっき検索してみたところ2件だけ・・・・・でも7名ほど対戦していました。ころびやは一度だけマルチプレイでデスマッチをやったことがあります。5人でやったのですが、なかなか面白いです。最近の他のゲームにくらべて少々重くなるときがありましたが、プレイには支障ありませんでした。
 SiNのマルチプレイは廃れてしまっていますが、SiNに入っているマルチプレイ用のMAPにはかなり秀逸なものが多く、実際にプレイしてみるとわかりますがかなり楽しいです。迷路のような所、或いはだだっ広い所で単に撃ち合うだけというものではなく、作者のジョークが効いた仕掛けを駆使したり、芸術的とも言える構造をした世界で縦横無尽に撃ち合ったり、小人になって書斎のような部屋で戦ったりと、歩き回るだけでも楽しいMAPがそろっています。Counter StrikeやTactical Ops(※)のようなリアルなプレイより、純粋に「インターネット対戦を楽しむ」ということに重点を置かれた作りになっていると感じました。
 SiNのバージョンが古いとKali(今はほとんど使われなくなった対戦サーバ検索ソフト)などを使わないとマルチプレイは不便でとてもじゃないものでしたが、最新のバージョンではGameSpyの検索ソフトが入っているようでクリック一つでゲームサーバを検索できるようになりました。(それでも性能は最新の検索ソフトにはやや劣りますが) 昔からこのくらい気軽に検索&参戦ができればいまでもSiNのマルチプレイがもうちょっと賑やかだったかもしれません。
 SiNのマルチプレイがほとんどないのはMAPが素晴らしいだけに残念です。

ちゃんと普通の対戦MAPも用意されている。これは「シンシティ」。3〜4人の対戦から10人以上の乱戦でも楽しめるつくりである。

ころびやが一番感動したMAP「パラドックス」。このMAPには上も下もない。3Dゲームならではの感覚を一度体験してみて欲しい。
(※) 「Counter Strike」 は Half-Life のMODで、「Tactical Ops」は Unreal Tournament のMODです。両方ともチームプレイが基本で、サバイバルゲームみたいなスリルあるゲームが楽しめます。ちなみにころびやはこの手のゲームモードはド下手です。
 MODとはゲームに新しい武器やルールを加えたりするデータセットのことです。有料無料様々なものがあり、インターネット上にも色々なものが無料で配布されています。

●欠点など
・美人?シンクレア
 最大の欠点はやはりキャラクターでしょう(笑 ブレードやJ.C.のキャラは良い感じなのですが、エレクシスシンクレアのデザインはやはり最後まで慣れることができませんでした。しかしやはりアメリカでは別に普通の美人という扱いみたいで、下のカットが雑誌の表紙にもなったみたいです。ころびやはここに載せるのもはばかられましたが^^; 国が違うとここまで感覚が違ってくるものなのでしょうか?No one lives forever 2を見ていると特別そうでもない気もするんですがねえ。しかし下のカット怖いです・・・・なんか白く塗ってツノつけても違和感なさそう。たぶん前世か先祖は般若でしょう。
 これはインストール時に表示されるものなんですが、WinXPにインストールしているときにここでフリーズするもんだからたまったもんじゃありません。なんか恣意的なものを感じたりもしましたが、んなわけないので泣き寝入りしました。
 あまり言うと取り憑かれそうなのでこれくらいでやめときます。
私は美人よ!文句ある?


強いんだけどね、生命力だけは。でもおつむが弱いんだ。
・大バカモンスター
 このゲームは敵の多くが人間で、隠れたり逃げたりと多彩な行動でプレイヤーを悩ませてくれるのですが、途中途中で屈強なミュータント達が襲ってきます。これは実に屈強なのですが、こいつらは屈強であるとともに最強のおバカさんなのです。たしかに、狭く何の遮蔽物もない場所で戦えといわれれば人間相手より手強いですが、ゲーム中にそう言う状況になるのはほとんどありませんし、仮にそうなっても一度撤退して自分に都合の良いところから攻撃するに決まっています。
 このおバカなミュータント諸君は実直な性格でもあり、こちらが屋根の上に身を置いて撃っている場合でもまっすぐこちらに向かってきます。壁に向かって必至に足踏みしています。もう立ち止まっているも同然なので強い武器など必要ありません。マグナムで適当にあしらうことが出来ます。ちなみに人間キャラの場合なら反撃不可能な地点から撃たれた時点で隠れてしまいます。
 まあこれはステージ中にでてくる敵なので手強いのを楽に倒せるのでいいかもしれませんが、なんとラスボスもかなりのおバカさんなのです。ころびやはあまりこの手のゲームは上手ではないのですが、ノーダメージで倒せました。これなら人間10人との戦闘を10本やったほうがてこずったでしょう。

・強すぎスナイパー
 次のページの武器紹介でも述べているのですが、スナイパーライフルという武器は非常に強力な武器です。これは敵にもまた然りで、敵にスナイパーがいるステージでは通常の銃撃に混じって強烈な一撃を食らいます。これに気づかないといつの間にか瀕死の重傷を負っていたり、あっという間に死んでしまったりします。すぐスナイパーの仕業とわかればそれでいいのですが、なかなか気づかない時があります。大して攻撃を受けていないはずなのにすぐ死んでしまう場合は近くにスナイパーがいないか探してみましょう。スナイパーは他の兵たちより打たれ弱く、マグナムでも頭に1発当てただけで倒せます。胴体でも大体2発で倒せます。

・多いバグ
 ころびやはこれにぶち当たったことは一度もないのですが、書かねばならないでしょう。ハードウェアとの相性的な面のバグから、ゲーム進行の妨げになるバグまでかなりあったそうです。現在の最新パッチ1.11では多くが改善されたようです。しかし、ゲーム進行の妨げになるバグは出る人がいるらしいです。ころびやはでたことないのですが。そのバグは発生しても裏技で壁をすり抜ければセーブしてしまっている状態でもなんとか継続可能なようです。



 文が拙くて上手く伝えられないのが少々もどかしいのですがSiNはかなり面白いゲームであることは確かです。廉価版も出ていますのでThief、DeusEx、UnrealTournamentなどのゲームをやったことある人にはぜひ試していただきたいです。全く3Dゲーム慣れしていない人には、やや難易度が高いのでPC最初のゲームにはお勧めできないのですが、ルーキーモード(EASYモード)ならころびやにもクリアできる難易度です。セカンドプレイでは(海外のウォークスルーを見ながらですが)かなりの余裕を持ってクリアできました。持っていて絶対損は無いソフトだと思います。安いし。
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